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16時間目 「つわりと東洋医学」



 幼少の頃は同級生の女性は体が大きく、頭の回転など、すべてにおいて大人に見えたものです。女性は、思春期に女性ホルモンの増加により、初潮を迎え、それから毎月1回の月経が起こり、さらに女性ホルモンが増加し、女性らしさが出てきます。そして、最大のイベントである妊娠、出産があるのです。人生の中で比較的、早い時期に大イベントが多いのですね。女性は14歳、つまり初潮を迎えた段階で妊娠することが可能なのです。まったく凄いことです。同年代の男性はというと・・・、まだまだですね!前回もお話しましたが、男性は8の倍数、女性は7の倍数で成長しますので、女性のほうが成長度合いが早いのがわかります。一方、30代を過ぎると女性の体は「曲がり角」へと移行します。そして40代後半には女性ホルモンが急激に減少し、月経も終わります。女性は女性ホルモンにより、体を守られてきました。しかし、月経が終わることで体調不良や多くの病気が急激に増加します。女性は月経が終わってからの体調管理が重要だというわけです。

 では、今回のテーマ、つわりについて勉強していきましょう。
 つわりは、妊娠初期に吐き気やひどい時には嘔吐をしてしまう症状です。また、好き嫌いの変化、匂いの変化など多種多様の変化も含みます。つわりは、妊婦さんの約80%にみられるそうです。おおよそ、妊娠5週前後から始まり、妊娠12周を過ぎるころに自然に消失するものをいいます。あくまでも目安で、個人差が大きいのも特徴の一つです。「つわり」と「悪阻」の違いを知っていますか?つわりとは吐き気、嘔吐などの症状が軽度のもの、悪阻とは栄養障害と代謝障害を伴う重症の場合を言うそうです。
 つわりの原因はわかっていませんが、ホルモン説、自律神経説、アレルギー説、精神的要因説などが考えられています。妊娠初期の内分泌や代謝面での急激な変化と、自律神経のトラブルに精神的・体質的な因子が絡み合って発症する母体の適応不全症候群と考えられています。
 東洋医学では、つわりが母体、胎児に悪影響を起こすことは少ないと考えていますが、諸症状は改善すべく取り組みます。まずは最も代表的な症状である嘔吐をみていきましょう。
「嘔吐」とは、「嘔」と「吐」の2つの症状を含みます。「嘔」は吐くときに声を出して、物が出ない場合(有声無物)、「吐」は吐くときに声がなく、物が出る場合(有物無声)をいいます。
嘔吐の原因は、単純に暴飲暴食の食積(食滞)、冷たい物や味の濃い物の過剰摂取(痰湿)、もともと胃腸が弱い脾胃虚弱、ストレスなどによる気の流れの不調(気滞)などによって起こります。妊娠期間中はただでさえ、お腹が大きくなり循環が悪くなっている状態ですし、お腹の赤ちゃんに気・血が取られて不足しがちです。運搬機能のある「気」が少ないと、水と食べ物が胃で停滞し、吐き気となって現れます。また、胃はもともと水分を好む臓器といわれているので、潤す働きのある「血」が少ない状態では、胃は乾燥し食べ物を受け付けられなくなるという状態に陥ります。妊娠期間中は通常の時とは異なり、食事制限があり、今までどおりに身体を動かすことも出来ない状態です。普段、感じることが出来ないようなストレスがかかります。それにより「気」の流れは阻害され、「胃の気」は下に下りることが出来ず嘔吐となります。
 これらの症状が進行すると、身体は更なる変化を来たします。西洋医学的にみていくと、嘔吐の過剰により代謝障害、電解質異常へと進行します。これらを悪阻といいます。東洋医学では過剰な陰液の消失、脾胃の損傷による気血不足により「気陰両虚」を起こしやすいのです。

 代表的な嘔吐について、勉強してきました。つわりは多くの方にみられる症状ですが、栄養状態に関わる重要な問題です。「良い妊娠期間」は育児にも大いに関係してきます。当院にもつわりで来院される方が多いですが、皆さんつわりが楽になったとおっしゃっております。快適な妊娠期間を過ごしていただくため、私達も精一杯ご協力させていただきます。
 ちなみに、つわりに効果的な精油としてペパーミント、グレープフルーツ、オレンジやマンダリンがお薦めです。また、この時期の食事は食べたいものを食べるにつきるのではないでしょうか。

 次回は、女性の大きな悩みである「むくみ」についてお話いたします。






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