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13時間目 「妊娠と東洋医学」



 「生命」。なんという神秘的な響きでしょうか。私を含め、地球上で動いているものすべてに生命が存在します。しかし、生命とは一体なんでしょうか。霊魂、力、細胞の活動・・・、よくわかりません。ただ言えることは、親の一部から産まれてくるということです。生命の歴史が40億年。生物は大変な長い時間と経験を費やし、新しい命を生み、死を受け入れてきました。そう、生命とは新しい命を生み、新しい命のために自分の命を尽くし、死を迎えいれることではないでしょうか。

 皆さんも知っている昆虫「カマキリ」は産んだ卵を死守します。ようやく卵から子どもが出てくると、成長のため、まず母親を食べるそうです。自分の分身であるはずの子どもに・・・。初めは、なんて残酷な話だと思いましたが、程度の問題はありますが、人間と何ら変わりはないんだな〜と感じました。子は親から誕生し、子は親を見て成長し、やがて親になる。まさに繰り返し、輪廻です。今ある私たちの生命は、生命誕生の40億年間の歴史であり、あたかも長い年月を経験してきた生きた証といっても過言ではないのではないでしょうか。
しつこいようですが、東洋医学、特に中医学は長い年月と経験によって作られた医学です。人間が衣服を着ず、裸で木の棒を持ちながら、動物を追っている頃から、もしかしてもっと古く、周りにいる生き物の生き方から学んだものの積み重ねかもしれません。ただ、ただ壮大しすぎて・・・、興奮しますね!

 随分、変な方向に話が進みました。では、今回のテーマについてお話を進めます。

 中国における妊娠については、非常に古い起源があります。すでに紀元前の書物、易経に『天地として万物化醇す。男女精をあわせて、万物生す。』と書かれています。これは、天地の陰陽の二気がもつれ合い一つになることで、変化して万物となり、それぞれの美しい性質が完成する。男女雌雄が各々の精を一つにあわせることによって、万物の形に変化生長する、ということを示しています。
 では、具体的に妊娠をみていきましょう。中医学では、人体の成長は両親から譲り受けた生命力、腎気によって行なわれます。さらに、女性の成長と発育を「7の倍数」で表現しています。「女性は7歳になると腎気の働きが盛んになって歯が生え代わり、頭髪も長くなる。14歳になると腎気の働きで腎精(腎が蔵す生命の根本的物質)より天癸(てんき)*が作られ、その作用で体の前面の中心を流れる任脈*、血海といわれる衝脈*も盛んになることから、子宮に気血が導かれ、生理が始まる。21歳になると腎気が安定し、体が成熟する。28歳になると筋や骨は強くなり、最も充実する・・・。49歳になると任脈、衝脈は空になり、子宮に気血が導かれず生理が停止する・・・。」とされています。ちなみに男性は「8の倍数」で成長発育します。16歳で子どもを作ることができ・・・、64歳で歯が抜け、髪が落ちます。
 このように、妊娠するには腎気が充実し、任脈、衝脈が正常に機能することが重要となるわけです。

 妊娠中のつわりや精神的なトラブル、逆子、腰痛、むくみ、冷え、嘔吐、過食、偏食など数多くの症状をはじめ、不妊で悩んでいる方も腎気、任脈、衝脈の何らかの問題により起こります。
 東洋医学治療は腎気を補い、また補いやすい体作り、任脈・衝脈の流れをスムーズにして子宮へアプローチします。妊娠中のマイナートラブルを解消する手段として利用して欲しいと思います。


*天癸:生命の根本物質である腎精から生成される。天癸は腎に蓄えられ、食事などによる後天の精気によって滋養される。
*任脈:子宮から起こる経脈で、「陰経の海」と呼ばれ、陰経のすべての機能を統括する
*衝脈:子宮から起こり、経脈や臓腑の気血を蓄えることができ、先天と後天の気を蓄えることができる。




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