9時間目 「食事の大切さ」食事の重要性は誰もがご存知だと思います。テレビ番組、雑誌など身近なところで沢山の情報が紹介されています。しかし、情報量の多さに混乱する方も・・・。あっちの本ではこんなこと、そっちの本ではこんなこと。把握するだけでも大変です。以前、白いんげん豆ダイエットによる消化器症状や中国のダイエット食品による事故など、信じがたい情報もあふれています。専門家に相談したり調べてから、自分に必要で自分にあった食事の取り方をみつけるようにしましょう。 study roomでは、東洋医学的な見方で食事についてお話いたします。以前、食事の量についてお話しました。量については5時間目をご覧下さい。 では、9時間目は、食事の質についてです。ヒトは誰でも好き嫌いがあります。甘いもの、辛いもの、しょっぱいもの、脂っこいもの。これはどれも体にとって必要なものです。ですが、取りすぎは多くのトラブルを起こします。一人暮らしの方は外食が多いですよね。どうしても偏った食事をしてしまいます。東洋医学では、この偏食を5つに分けています。肥甘厚味(ひかんこうみ)の過食、生冷の過食、辛辣(しんらつ)の過食、過度の飲酒、五味偏盛(ごみへんせい)です。言葉が難しいのでちょっと言葉の勉強から。では、1つずつみていきましょう。 肥甘厚味の過食は、甘いものやねっとりして味の濃いもの、脂っこいものの食べすぎを指します。濃い味は体に熱を生み、脂っこいものは湿気や痰を生みやすいので、このような食物は脾胃の消化機能を低下させ、熱のある湿気を作り、消化不良やめまい、胸やけ、瘡瘍(腫瘍など)などの発病原因となります。 生冷の過食は、冷たいものと生ものの食べすぎを指します。腹部を冷やし、脾陽を障害して冷えた湿気を生みやすい性質を持っています。このため、冷たいものを取りすぎると脾胃の昇降機能が失調して、胃腹の冷痛や下痢などの症状が現れます。また、生野菜の摂取は、寄生虫の繁殖原因とも考えられています。 辛辣の過食は、辛くて熱い味のものの食べすぎを指します。胃腸に熱がこもり、陰液(体を栄養するすべての水分)が消耗するため、口渇、便秘、痔出血などの症状が現れます。 飲酒の過度は、アルコールが入っている飲み物すべての摂りすぎを指します。熱を持った湿気が生まれ、脾胃を傷め、肝血や心血を消耗して、痩せ、腹水、腹中のしこりなどをもたらします。 五味偏盛の五味とは、酸(すっぱい)、苦(苦い)、甘(甘)、辛(辛い)、鹹(塩辛い)の5つの味のことをいいます。酸味には、固摂作用(物をとどめる働き)があって、気血や汗が体内から必要以上に漏れ出ないようにしたり、肝を滋養する作用があります。しかし、酸味の過食により、肝気が過剰になり過ぎて鬱積すると、疏泄作用(代謝の調節)が失調して脾気の運化機能を衰退させてしまうので、消化活動に障害が及ぶことがあります。苦味には瀉火(体の火を消す)や降火(体の火を下ろす)の作用あるいは堅陰の作用があって、心火が亢進して陰を消耗させないようにする働きがあります。しかし、苦味を過食すると、心火や心気は冷えきって、水気(水の邪気)による障害を受けやすくなり、動悸や上半身のむくみなどの症状が現れることがあります。甘味には滋養の作用があり、脾胃を調和して気・血・津液を生成する働きがあります。しかし、甘味の過食は湿を生み、脾の運化を障害してお腹の脹満などの症状を生じることがあります。辛味には発散や行気行血の作用があって、肺気のめぐりを活発にする働きがあります。しかし、辛味を過食すると、発散力が過剰になって正気が失われ、精神の衰弱を起こしたり、肝血を消耗して筋脈を損傷したりすることがあります。鹹味(しょっぱい味)には補陰や潤しながら下ろす働きがあって、腎が支配する二陰(生殖器と泌尿器、肛門)に影響して大小便を潤し排泄する働きがあります。しかし、鹹味を過食すると水気が旺盛になり過ぎて、腎陽や脾陽が傷つけられて冷えるため、骨の障害や肌肉の短縮が現れます。また、鹹味は血を通過するため血脈が凝滞し、血行に障害が現れることがあります。 以上のように食事によって体へ与える影響は多いわけです。しかし、いつもこのようなことを考えて食事することは不可能ですので、頭の片隅で意識をするだけでも違うと思います。これらの考えは、薬膳料理と密接に関わりあっているので次の10時間目では薬膳についてお話しますね。ご期待下さい。 |
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